2026.03.21
神戸ビーフは、どれも同じという訳では無い。
本日は少し長い内容になります。
私が神戸ビーフを扱う上で大切にしていることを書きますので、お時間のある時に読んでいただけると嬉しいです。
まず、知っていただきたいのは「神戸ビーフ」と一言で言っても、その価値は決して一律ではないということです。
枝肉価格では1kgあたり3,000円台の牛もあれば、6,000円台、9,000円を超える牛もあります。
(枝肉価格には骨や脂も含まれるため、精肉になると価格はさらに大きく変わります。)
価格を左右する要素は、受賞歴、生産者、出生地、肥育月齢、雌・去勢といった条件だけではありません。
仲買人同士の競りでは、「この牛は欲しい」と多くの人が判断した牛ほど価格が上がります。
つまり、枝肉そのものの仕上がりが最も大きな要素になります。
もちろん受賞牛は販売する側としても分かりやすく、お客様にも伝えやすい存在です。
しかし、受賞牛だから必ず一番美味しいとは限りません。
毎週月曜日、西部市場では約50頭の神戸ビーフが並びます。
その中で、「これは抜けている」と感じる牛は、私の感覚では50頭に1頭ほどです。
但馬牛は全国の銘柄牛の中でも特に厳しい基準で選抜され、その中でもさらに基準を満たした牛だけが神戸ビーフになります。
そのため、多くのお客様にとっては「神戸ビーフであれば十分美味しい」というのも事実です。
一方で、その中でもさらに突出した一頭を探し続ける店は、それほど多くないのかもしれません。
ステーキ店でも、お一人様20,000円ほどのお店もあれば、50,000円を超えるお店があります。
もちろんサービスや空間もありますが、扱う牛そのものが違うことも、その理由の一つです。
そして、一頭買いをすると部位ごとに価値も大きく異なります。
一般的にはサーロイン・リブロース・フィレといった背中の部位が高く評価されます。
一方で、ランプやイチボ、モモ、腕、バラなどは価格も変わり、それぞれ異なる味わいや食感があります。
筋を外す技術や下処理が必要な部位もあり、部位ごとに求められる仕事は大きく異なります。
さらに、真空熟成を行うのか、無真空で扱うのか。
冷凍を使うのか。
どの大きさで切り出すのか。
それらは店の考え方や、お客様に何を伝えたいかによって変わります。
私が会社勤めだった頃、高級ステーキ店を見ては、「なぜあんなに高いのだろう」と思っていました。
「どんな味なのだろう。」
「どんな香りなのだろう。」
「神戸に住んでいるのに、本当に美味しい神戸ビーフを私は知らないのではないか。」
そう思いながらも、自分の給料では簡単には行けませんでした。
そして、仮に頑張って一度行けたとしても、その日に本当に素晴らしい一頭に出会えるとは限らないとは目にみえていました。
そんな世界は、一部の人だけが知っているものだと思っていました。
その世界を少しでも多くの方へ伝えたいと思っている自分がいます。
(第2部へ続きます)







