2026.07.6
『こんな店が有れば』を形に

前回の続きです。
自分で店を構えるまでの私には、そうした牛の本当の価値を知る術はほぼありませんでした。
独立して店を構えてから仲買人の方々とのご縁をいただき、自分の足で毎週市場へ通い、自身で通常の2倍も3倍もする牛を買い、様々な方より教えもいただきながら、一頭一頭を真剣に見て学ぶ日々が始まりました。
そして、自分自身で「この牛を買いたい」と判断し、仕入れられるようになったことが、今のbaronにつながっています。
これまで私が勤めてきたどの店でも、それは叶わなかった経験です。だからこそ、今こうして自分の目で牛を選び、お客様へ届けられる環境には感謝しかありません。
私はかねてより思っていたことがあります…
“良い牛を知る場は一部の人だけのものではなくてもいいだろう”と
「一部の方でなく日常的に神戸の方々にも、本当に良い牛をもっと気軽に知っていただける場所は作れないだろうか。」
そう考えていた中、
以前訪れた焼肉店を思い出しました。
兵庫の西区、住宅街から離れた田園風景の中にある小さな焼肉店でしたが、当時一番のステーキハウスに肉を卸していると聞いており、ステーキには使われない部位を丁寧に焼肉として提供しており、「こういう店が近くにあったら通いたい」と感じました。
baronでは一頭買いをしてステーキに使う部位以外は、今までは百貨店等の市場に出ていました。
本来はそれらの部位にも、それぞれに素晴らしい魅力があります。
「この肉を、もっと美味しい形で届けられる場所は作れないだろうか。」
そう思い続けていました。
そんな中、昨年一本の電話がありました。
以前一緒に働き、その後は焼肉店で約10年間経験を積んできた後輩からでした。
「baronで働きたいです。あの牛を扱いたいんです。」
彼はbaronにも10回とまでは来ていないですが、充分常連と言える位友人も連れてきておりました。
焼肉を食べに行っても、タレだけで飲んだり、肉の切り方や厚み、焼き方、ホルモンの状態まで夢中になって見ているような人間です。
「この人なら任せられるか。。」
そう思いました。
baronを開業した時と同じように、
「こんなお店があればいいのに。」
その想いを形にするタイミングが、ようやく、と
だから今回、焼肉店を始めることを決めました。
私は、その店がbaronのコピーになる必要はないと思っています。この店に飽きないように私でも羨ましいような物を沢山詰め込んでますが使い方は彼次第ではあります。
baronで培ってきた牛への考え方を大切にしながらも、彼自身の感性や経験を活かせる場所になってほしいと願っています。
現在は、baronをご利用いただいているお客様を中心にご案内しております。
営業を重ねるたびに、お客様からいただくご意見も取り入れ、一つひとつ改善を重ねています。
私自身も何度も足を運び、お客様と同じ目線で料理やサービスを確認しながら、理想のお店へ近づけている最中です。
設備や工事の遅れもあり、レセプション開始から時間が掛かってしまいましたが、ようやく今月末には目指していた形が見えてきました。
まだすべてのお客様へご案内できておらず、ご連絡先の変更などでお知らせできていない方もいらっしゃいます。
baronをご利用いただいたことのあるお客様で、ご興味をお持ちいただけましたら、どうぞお気軽に井上までご連絡ください。
皆様にお会いできる日を楽しみにしております。






